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「お金の話」のおさらい
国内の株価は安定か? |
株価は割高で推移しています。しかし昨年10月NIKKEI STYLEは「海外投資家のアベノミクスへの評価が剥落する一方、日銀が主に相場下落時に買い入れる日本株の累計購入額は26兆円規模に膨んだ」と報じました。つまり株価が割高で推移しているのは日本企業の実力ではなく、日銀が買い支えているからだと言えます。すると、政局が流動化した場合には株価の不透明感が増します。加えて政府に支えられた株価には、産業構造の転換に向けた企業のインセンティブが働かないという弊害があります。政府はIoT分野への投資を促すため税制改革を行なうとしていますが、真に国民の理解が得られる改革とする必要があると考えます。
投資しないことがリスクか? |
「投資しないことがリスクだ」という言説は、単なる一般論です。皆様がお勤めの多くの会社には優れた制度があり、投資でなくとも資産形成することができます。その一つは財形貯蓄です。財形貯蓄には会社の支援策があり、その支援策は労使の話し合いで決定されています。もう一つは年金共済《ひろがり》です。詳細は労連共済本部にお尋ねください。
投資を考えたい皆様への注意点 |
1.収入を仕分けする
投資する前に収入を次の三つに仕分けします。①直ぐに使うお金(日々の生活費など)。これは、現金、プリペイドカード、普通預金などで手元に置きます。②使い道が決まっているお金(教育資金や住宅資金など)。これは元本割れしたら計画が破たんするので定期預金など元本割れのないもので備えます。③余裕資金(収入から①②を差し引いて残るお金)【図①】。③の余裕資金があり、元本割れしても許せると思えるなら投資を考えます。余裕のないお金を投資すると、損をすれば慌てて取り戻そうとハイリスク商品に手を出し人生の破たんを招きます。しかし余裕資金ならば冷静になれます。素人が投資する場合は、投資とは時間が稼ぐものと心得て長期的に考えることが大切です。短期的売買はプロの仕事です。
2.分散投資
投資の格言に「卵は一つのかごに盛るな」があります。一つのかごに十個の卵を盛るより、五つのかごに二個ずつ分散して盛る方が卵を失うリスクを分散できるという訳です【図②】。投資する場合、一つの商品だけに集中投資することは危険ですが、複数の株式や債券などを組み合わせることでリスクを分散できます。NISAは複数の金融商品に分散投資するもので、①少額から投資できる、②配当・譲渡益等が非課税、③手数料が無料(※1)、④信託報酬が低い(※2)というメリットがあります。NISAの内、つみたてNISAはリスクを時間で分散する方法です。短期的に株価が下落しても長期的に見て全体として右肩上がりであればよいという考え方です(【図②】。NISAについては労働金庫にお尋ねください。
住宅ローンは繰上げ返済する |
住宅ローンがある場合、余裕資金は住宅ローンの繰上げ返済に回すことが良いでしょう。一般的に定期預金金利より住宅ローン金利の方が大きいので、余裕資金は繰上げ返済に回す方が家計には有利です。しかし貯蓄も大切ですから、余裕資金は家計全体のバランスを考えてマネジメントすることが大切です。
※1 つみたてNISAの対象商品となるETFには、通常、販売手数料がかかります。
※2 投資信託の保有期間中、投資信託の純資産総額から差し引かれる運用管理費用。
中島豊一
Toyokazu Nakajima
情報労連アドバイザー / 特定社会保険労務士 / 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 /(2008年までNTT労働組合役員)