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1年の計は元旦にあり
お金がどんどん貯まる方法 |
新しい1年が始まりました。物価高が続く中、老後資金や教育資金、住宅ローンを軽くするために頭金を増やしたいと考えていても、なかなか一歩を踏み出すことができない皆さま。新年に「資産形成」について考えてみましょう。
資産形成の方法は一つじゃない |
資産形成の方法は一つではありません。新NISAも資産形成の一つですが、2024年8月5日に日経平均株価が大幅な下げ幅を記録したことで口座開設に急ブレーキがかかり、その後も口座開設は鈍化しています。新NISAと言っても仕組みは投資信託ですから、投資である以上元本割れの確率はゼロではないので、会社員の皆さまが「投資」に手を出すことには慎重にならざるを得ません。でも、資産形成の方法は「表1」「図1」の通り一つじゃありません。様々な方法があります。
表1
資産形成の方法は一つじゃない
方法 |
メリット |
注意点 |
---|---|---|
貯蓄 |
いつでも貯められ、いつでも使える |
預金利率が低い |
財形貯蓄 |
①資産形成の王道「給与天引き」 ②住宅財形と年金財形は利子が非課税 ③奨励金を付与する会社もある ④一般財形:積立て中に資金が必要になっても、いつでも自由に払い戻しができる ⑤住宅財形:マイホームの新築・中古購入、増改築やリフォームなど、住まいの資金づくり に最適で、財形住宅融資が使える。その返済利息の一部を補助してくれる会社もある |
預金利率が低い |
社員持株会 |
社員が毎月一定額給与天引きされ自社株を購入できる制度で、会社が奨励金を付与してくれ、株主として配当金も受け取れる |
制度の無い会社もある |
確定拠出年金 |
①掛金を会社が拠出してくれる(賃金額を決定する際の要素に会社拠出金額を考慮するか否かは労使自治) ②手数料も会社負担 ③社員も会社が拠出する掛金と同額まで拠出できる(マッチング拠出) ④マッチング拠出による拠出額に対しては、所得税と住民税が軽減できる(節税できる) ⑤運用益にかかる税金がゼロ円 ⑥受けるときに公的年金等控除もしくは退職所得控除がある(節税できる) ⑦元金保証型の商品も選択できる(定期預金や保険など) |
①60歳まで現金化できない ②制度の無い会社もある |
確定拠出年金 |
①誰でも利用できる ②企業型と同じく、上記④⑤⑥の税制上のメリットがある ただし、マッチング拠出と会社掛金の合計額によってはiDeCoを使えない場合がある |
①60歳まで現金化できない ②手数料は自己負担 |
年金共済 |
労連共済本部が扱う年金共済《ひろがり》は、組合員が任意で拠出した掛金を保険会社が予定利率で運用する拠出型企業年金保険。予定利率1.25%+配当(複利) |
節税メリットはない |
NISA |
①運用益が非課税(非課税期間は無制限) ②いつでも現金化できる |
短期運用では、元本割れの可能性が高まる |
FX |
外国為替証拠金取引→自己資金(証拠金)の最大25倍まで取引できる場合がある 暗号資産取引も同様の仕組み |
ハイリスク |
※メリットと注意点は代表的な事項を簡略化して記載したものであり、全てを網羅したものではない。必ずご自身でご確認ください。
図1
情報労連組合員だけが利用できる《ひろがり》
《ひろがり》は情報労連が作った資産作りの仕組みです
貯蓄の王道は「給与天引き」 |
中でも、会社員にとって資産形成の「王道」は「給与天引き貯蓄」です。みな様の給与からは税金や社会保険料などが天引きされていますが、みな様は普段それを意識していますか?多くの場合、「まあ毎月これでしかたない」と言って通り過ぎて行きますよね。それと同じで、例えば毎月2万円を天引き貯蓄すれば、気付かない間にお金が貯まります。その上、天引きされていること自体を忘れることができれば、お金を引き出すことも忘れるのでどんどん貯まることでしょう。しかも、株価を横目で見ながらドキドキと悩む必要もありません(ドキドキが大好きな方には物足りないかもしれませんが)。
まず「天引き」を始めてしまう |
そうはいっても「何だか分からないけれど貯蓄できない」という方や、初めから「毎月2万円天引きするのは無理」と考えている方もいるでしょう。でも大丈夫、先のことは考えず天引きを始めてしまいましょう。まず天引きありき。そうしてから、天引き後の手取りで生活を工夫しましょう。
毎月2万円天引きして生活する方法 |
そのためには1年に1カ月でもいいので、1カ月間「家計を点検」してみましょう。そこに「ムダ」があればラッキー。ムダこそ貯蓄の財源です。レシートの無い買い物、何に使った分からないお金はほぼムダ遣いです。つまり、月初めの収入から、レシート・電子マネー・クレカなどの買い物履歴を合計した月末の支出合計を差し引いた額と、月末における実際の残金との不一致があれば、その不一致はほぼムダ遣いです。その上で、例えばペットボトルの飲料を控えてマイボトルにするなどの工夫を重ねることで「毎月2万円天引き貯蓄」しても生活できるようになります(図2)。それはつまり、日常生活を整理整頓することです。
図2
家計の「ムダ」を探し、月2万円のお金を生み出す
生命保険の見直し |
さらに、民間の生命保険で保険料が毎月2万円以上の保険に加入している方はもちろん、それほど高額な保険料でもない方も、他社の保険会社や共済と比較してみることをお勧めします。その場合の着眼点は、公的健康保険制度、公的年金制度から受けられるサービス内容に上乗せするために必要な保障を割り出し、その上で過大な保障を見直すことです。例えば電通共済生協の生命共済はお財布にやさしい掛金(民間保険では「保険料」という)となっています(表2)。
表2
電通共済生協の「生命共済」
中島豊一
Toyokazu Nakajima
情報労連アドバイザー / 特定社会保険労務士 / 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 /(2008年までNTT労働組合役員)