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貯まるお財布
ステップ1 まず貯めて |
貯めるコツは「天引きで後は忘れる」です。まず貯蓄額を天引きして、残った手取りで生活を設計します。でも、貯蓄残高ばかり見ていると何故か引き出して使ってしまう。だから「忘れる」。天引き貯蓄の代表は財形貯蓄です。制度のある会社に勤務しているなら賢く利用しましょう。
ステップ2 稼いで |
稼ぐコツは「自分に投資」です。会社は永遠ではなく業態が変わることもあり得ます。自分の職業観も変化します。ですから、自分の市場価値を高めるために研鑽することが大切です。例えば雇用保険の「教育訓練給付金」を利用して学習することも良いでしょう。
次に「健康に投資」です。例えば糖尿病の場合、医療費の自己負担額は年間約4〜13万円程度(糖尿病ネットワーク調べ)。糖尿病の進行により合併症が加わると、合併症が1つで約1・2倍、2つで約1・8倍、3つで約2倍、4つで約2・5倍になるとされています(「政府管掌健康保険における医療費等に関する調査研究報告書」医療経済研究機構)。加えて、健康を理由に60歳で仕事をリタイヤすれば、65歳まで雇用継続した人との収入差はマイナス1750万円です(60歳超の賃金が350万円/年と仮定)。だから健康で長く働くことが大切です。(なお、治療と仕事の両立については、厚生労働省「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」を参照願います。)
ステップ3 減らして |
家計の支出を減らす「4つのコツ」があります。
① 無駄遣いを探す
贅沢する訳でもないのにお金が貯まらない人は身の回りの整理整頓ができない人です。レシートや領収書の無い買い物は「使途不明金」です。使途不明金は、ほぼ「無駄遣い」。たった1カ月でもいいから必ずレシートを貰い、クレジットカードや電子マネーの記録と合わせて整理整頓し、無駄遣いが発見できたらラッキー! そのお金を貯蓄や投資に回すことができます。
②ボ払い、カードローン、キャッシング「禁止」
リボ払いの手数料は15%程度、カードローンの利息は1・5~18%、クレジットカードのキャッシングの利息は15~18%。これは定期預金利息が0・002%だとした場合の750倍〜9000倍。だから禁止です。
③住宅ローンを見直す
住宅ローンの繰上げ返済は返済総額を減らすために効果大です。ただし次のことに注意。①住宅ローン減税と繰上げ返済のどちらが有利か検討する。②子の教育費など家計の将来を考慮する。③予備費(生活費3カ月~半年分くらい)を確保する。
④生命保険を見直す
保険料月額2万円の生命保険に加入していると仮定した場合、25歳から60歳までの保険料の総額は840万円です。このような保険を見直すことは節約効果大です。保障内容が違うため単純比較できませんが、保険の仕組みを使った助け合いの「共済」なら、ネット系生命保険よりも経済的な保障を選択できる場合があります。です。
ステップ4 育てる(投資) |
投資を考える前にお金を3つに仕分けします「①日常生活で使うお金②目的が決まっているお金③当面は目的が決まっていないお金」。その結果③の余裕資金があるなら、そのお金を投資に回すことができます。①と②のお金を投資に充てるのは禁止です。
投資するなら心に刻むべきは、①『絶対に儲かる』は絶対にない②信頼できる金融機関と付き合う③相場に一喜一憂しない─です。
投資の基本のキは「長期・積立・分散」。「つみたてNISA」は少額から毎月コツコツ積み立ててじっくり資産形成するもので、運用益が非課税です。「iDeCo」は長期スパンで資産形成し、60歳以降に年金もしくは一時金として受け取るもので、運用益が非課税の上、投資額が所得控除され所得税と住民税が節税でき、受け取り時にも公的年金控除もしくは退職所得控除が受けられます。ただし、「iDeCo」は60歳まで現金化できないので、資金に流動性を持たせたい人や50代半ば以降の人には不向きです。
地球に投資
投資するお金があるなら、その内わずかでいいのでWFPやユニセフなどに寄付することをお勧めします。気候変動とロシアのウクライナ侵攻で、アフリカや中東をはじめ世界的な食糧危機が深刻化しているからです。
中島豊一
Toyokazu Nakajima
情報労連アドバイザー / 特定社会保険労務士 / 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 /(2008年までNTT労働組合役員)