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投資で世界とつながっているなら
野沢菜と温暖化 |
漬物の話。私の出身の長野県は野沢菜漬けが有名で、野沢菜漬けは冬に漬物樽に薄氷が張るほど寒くならないと美味しくなりません。ところが40年ほど前からその薄氷が張らなくなり、冬が暖かくなっていると感じていました。それから40年、昨年「11月の最高気温の記録を100年ぶりに更新」とのニュースが流れました。どうりで冬だというのにツィードの上着の出番も減りました。さて、地球温暖化について「科学には不確実性があり気候変動の仕組みの解明には高度な分析が必要だ」という見解があります。これを逆に言えばCO2排出は地球温暖化の原因ではないと断言することもできません。だったらCO2の排出は制限すべきです。例えば、地震予知は困難だと結論されており※、予知できないからこそ、想定外がありうることを前提に、特定の地域に偏ることなくどこであっても地震への備えをしなければならない、ということと同様だと考えます。(※国土地理院「地震予知連絡会の50年」より)
イスラエルフィルと戦争 |
音楽の話。私はジャズもK-POPもクラシックも好きです。クラシックならベートーベンの7番が一番好きで、中でも「イスラエルフィル」の演奏が最高です。この楽団はビロードの弦と言われ、弦のとろけるような音色がたまりません。昨年そのイスラエルフィルが9年ぶりに来日するというので、6月に高価な前売券を買ったのですが、イスラエルのガザでの虐殺のため来日中止となりました。私は戦争が始まってすぐに、払い戻しが無いとしてもコンサートには行かないと決めていましたので、来日中止は当然だと思います。なぜなら、この虐殺に対して「歴史的背景が云々」というような相対主義的評論は許されないし、反ユダヤをはじめ全ての差別や人権侵害も許されないと考えるからです。
【参考図書:村上春樹雑文集(新潮文庫) エルサレム賞スピーチ「壁と卵」(全文)】
投機でなくESG投資へ |
お金の話。今や世界の投資家が「ESG投資」を重視することは常識です※。ESGは、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の頭文字を合わせた言葉で、ESG投資は「気候変動問題などの環境問題、サプライチェーンにおける労働問題などの社会問題、企業の不祥事など企業統治の問題」の解決に取組む企業に投資する考え方です。「投機」でなく「ESG投資」を考えるのであれば、地球環境を持続可能にする価値(経済が持続可能という意味とは180度違う価値)を創造する企業や、差別を許さず人権を尊重する企業を応援することが求められます。皆さんは「NISA」や「iDeCo」を通じて投資を行っていることでしょう。皆さんが投資を通じて世界とつながっているなら、「何が正義なのか」と考えることをお勧めします。現時点ではESG投資が短期的なリターンを生むとは言えないかもしれません。しかしESG投資が(全てを解決するのではないとしても)世界をより安全でより公平な社会へと導き、結果として長期的なリターンを生み出すものになると考えます。(※「年金積立金管理運用独立行政法人」HPより)
中島豊一
Toyokazu Nakajima
情報労連アドバイザー / 特定社会保険労務士 / 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 /(2008年までNTT労働組合役員)