【ひろがりコミュニティ】「ひろがりコミュニティ」は、情報労連に加盟している組合員の皆様の暮らしに役立つ情報やライフスタイルを共有するためのコミュニティサイトです。
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情報労連アドバイザー中島社労士の、ちょっと気になるお金の話
貯蓄を考える

お正月に考える生活防衛

社会保障の負担増

政府が考えている「全世代型社会保障」の今後の主な論点は、表1の通りです。この内容は、高齢者をターゲットにしているように見えますが、他にも、子ども1人あたり42万円の出産育児一時金が増額されることや、健康保険料の若者世代の負担減も論点となっています。子育て支援や若者支援について何ら異存はないと言えますが、税金の投入ではなく、高齢者の負担増と若い世代の支援をセットで財源総枠を管理する仕組みであれば、世代間での綱引きとなり分断を招きかねないことに留意が必要です。ですから、防衛費増額のための増税が公然と議論される中、増税するなら、その税金は「世代間の分断を招かない」持続可能な社会保障制度の充実に充てるべきだとする意見があって当然です。

投資の不確実性

さて、「貯蓄」について考える前に、投資の不確実性の例として「つみたてNISA」について考えてみましょう。ある年(X年)に月額2万円で投資を開始し、5年後に売却したと想定した場合、5年間の相場の動きによっては売却益が出ます(表2)。しかし、X年から1年後に投資を始めて、その5年後(X年+5年)に売却したと想定した場合、その5年間の相場の動きによっては元本割れが生じることがあり得ます(表3)。このように、「つみたてNISA」であっても、5年間という短期間で見るなら、元本割れの危険が無いとは言えません。確かに、金融庁のNISAのパンフレットによれば、過去20年間投資信託を継続した場合を見れば黒字となっています。しかし、これについて同パンフレットは「あくまでも過去のデータであって、将来の投資成果を予測・保証するものではありません」と述べています。

DCとiDeCoは老後資金

①企業型確定拠出年金(DC)、②個人型確定拠出年金(iDeCo)は、所得税・住民税が軽減されるなど税の軽減効果は大きいです。一方、投資先によっては期待するほど運用益が出ないこともあります。加えて、これらは60歳まで引出しができないので、60歳前に住宅資金、旅行資金、教育資金などで使うことはできません。ところで、情報労連傘下の多くの会社にはDCがあり、多くの社員はDCにマッチング拠出していますが、マッチング拠出しているならiDeCoは利用できません(マッチング拠出せずiDeCoを選択することもできますが、手間やコストを考えればマッチング拠出のほうが有利な場合が多いです)。

貯蓄も大きな武器

貯蓄は安全かつ使い勝手の良い点が大きなメリットです。貯蓄の代表として「定期預金」の他「財形貯蓄」があります。財形貯蓄は、①天引きなので知らない間に貯まる、②用途によって3種類ある(一般財形・住宅財形・年金財形)、③住宅財形と年金財形は利息が非課税(合計550万円まで)、④会社が積立金に「奨励金」をプラス(制度のある会社)、⑤財形貯蓄を原資にマイホーム資金を借りると会社が返済利息の一部を補給(制度のある会社)、などの優遇制度があります。そして、情報労連組合員限定の貯蓄性に優れた仕組み「年金共済《ひろがり》」があります。

中島豊一
Toyokazu Nakajima

情報労連アドバイザー / 特定社会保険労務士 / 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 /(2008年までNTT労働組合役員)