阿波踊り
連の踊りと活動を支える
縁の下の力持ち
四国通建労働組合 書記長 蔭 貴志さん
江戸時代から約400年続く、徳島市の阿波踊り。毎年8月12日からの4日間、100万人を超える人出で街全体が熱気に包まれる。踊りを披露するのは、"踊り子"と"鳴り物"で構成される「連(れん)」と呼ばれるさまざまなグループ。鳴り物たちが奏でるお囃子に合わせて、揃いの浴衣や法被を着た踊り子たちが踊り歩く。
「街中に響き渡るお囃子と、連の一体感が心地良い」と話すのは、20年以上参加し続ける蔭貴志さん。18歳の時、知人に誘われ、阿南市を拠点に70年の歴史を持つ「達粋連(たっすいれん)」に加わった。鳴り物の大太鼓を担当し、連の事務局も務める。
徳島の人は皆、阿波踊りをしていそうなイメージがあるが、「"見る阿呆"は多いが、"踊る阿呆"は少ない」という。何十人ものグループが一体となって踊りを披露するには、練習が欠かせない。そのため、練習は1年中行われており、特に本番が近づく7月になると週3回、8月は毎日行われる。「好きでなければできません」。
練習や本番を通して、仲間との友情や絆はいやがおうにも深まる。踊りそのものの楽しさもさることながら、一番の魅力は、人とのつながりにこそあるという。
「いつまでもみんなで楽しく踊れたら、それでいいです。楽しんで踊れば、お客さんにも楽しんでもらえますから」。
そのために、メンバーをまとめるのも蔭さんの役割。縁の下の力持ちとして、これからも連の踊りと活動を支え続ける。
写真は全て達粋連の皆さん
大太鼓などの鳴り物が踊りを引き立てる
勇ましい「男踊り」(浴衣踊り)
上品でしなやかな「女踊り」
女性による「男踊り」(法被踊り)
(2019年8月掲載)