パラ水泳
自分の限界に挑戦し
最高のパフォーマンスを発揮
NTT労働組合 ドコモ本部 山田 拓朗さん
史上最年少のパラリンピック日本代表選手として、13歳でアテネ大会(04)に出場以来、4大会連続出場。前回リオ大会(16)では、S9クラス50メートル自由形で銅メダルを獲得した。
生まれつき左ひじから先がない。右腕をうまく使いながら、バランスをとって速く泳いできた。小学生の頃から大学までは、オリンピックを目指すトップレベルの選手たちと一緒に練習を重ねる。障害者と健常者が一緒に練習する環境は以前はあまり一般的ではなく、自身の努力と周囲の理解でその環境を切り拓いた。圧倒的な練習量でタイムを伸ばしてきた反面、負荷がかかりすぎて故障につながったこともあった。2015年から専任コーチとの二人三脚で自分に適した練習環境でトレーニングしている。「会社のサポートもあり、いい環境でトレーニングを積んだ成果がリオでの銅メダルにつながりました」。
パラ競泳は障害の種類や程度によってクラス分けされている。山田さんが出場する運動機能障害S9/SB8/SM9は障害が軽度のクラスで選手層が厚く、競争も激しい。
現在は、スタートから15メートルまでのタイムの改善を重点的に取り組む。リオ大会決勝時の自己ベスト26秒00を上回る記録を目指し、「パラリンピックのような大舞台の方が実力を発揮できる」と焦りはない。ロンドンでもリオでも、その前の4年間は記録を更新できず、本番で自己ベストを更新してきた。東京でも自己ベストでのメダル獲得を目指す。「順位よりも、自分の限界まで挑戦して、最高のパフォーマンスを発揮することが目標です。応援されるほどモチベーションが上がりますので、たくさんの人に応援してもらえたらうれしいです」。
(2020年1月掲載)