秋田竿燈まつり
長さ12m、重さ50kgの竿燈を
支える「差し手」を演じる楽しさ
情報労連 高清水酒造労働組合 保坂 創太さん
東北三大祭りの一つに挙げられる「秋田竿燈まつり」。46個の提灯を吊した高さ12m、重さ50㎏もある竿燈を、「差し手」と呼ばれる男性たちが手のひら、肩、額、腰などに乗せ、バランスを取る演技が見どころだ。
秋田の地酒「高清水」を製造販売する秋田酒類製造(株)では、毎年20代から50代まで、20人前後の社員有志が竿燈まつりに参加している。2015年に入社した保坂創太さんもその一人。先輩に誘われ、「せっかくの機会だから」と参加するようになった。
毎年、祭りの前の1カ月間は、終業後に2〜3時間、皆で練習を行う。「最初の頃は、竿燈を持つだけでも大変でした」。しかし、小・中・高とラグビーで培った持ち前の身体能力で、周囲も驚くほどのスピードで技を修得。入社3年目には、技を競う「竿燈妙技大会」に出場する高清水チームの5人のメンバーに初めて選ばれた。翌年には予選を突破し、100を超えるチームの中から上位16チームによる決勝に進出。高清水チームとしては約10年ぶり、2度目の快挙だった。
「初めは力に頼りがちでしたが、練習を重ねるうちに、全身を使ってバランスを取るコツが少しずつわかってきました。徐々に上達していくのは面白いですし、大勢の観客の前で演技できるのも得難い体験です」。
竿燈まつりはコロナ禍で2年続いて中止となった。「この2年、燃えるものがなかった」という保坂さん。「さらに技を磨いて、安定した演技を見せたい」と、3年振りの開催に向けて意気込む。
絶妙なバランスで竿燈を支える保坂さん。
秋田竿燈まつり
約270年の歴史を持つ、国重要無形民俗文化財。8月3〜6日、秋田市内で開催される。囃子方のお囃子と「ドッコイショー、ドッコイショ」の掛け声が響く中、稲穂を模した竿燈を、差し手が「流し」「平手」「額」「肩」「腰」の5つの技で支える妙技を披露する。夜の大通りに約280本の"光の稲穂"が並び立つ「夜竿燈」と、差し手たちが技を競い合う「昼竿燈(竿燈妙技大会)」がある。
(2022年1月掲載)