ウクレレ教室
弾き語りからアンサンブルまで
ウクレレを弾く楽しさを多くの人に伝える
NTT労働組合 北関東信越総支部 池田 敏さん
コロナ禍を機に、夢だったウクレレ教室をスタート
「ウクレレの魅力は、演奏できるようになるまでのハードルが他の楽器よりも低いことです。初心者でも、半年もあれば十分演奏を楽しめるようになれます」
そう話すのは、新潟市内で「UKUIKEウクレレ教室」※1を主宰する池田敏さん。33歳の時に習い始め、ウクレレ歴は20年以上になる。
「10代の頃から楽器が好きで、ギターやエレクトーンをかじってきましたが、社宅住まいだと練習もしづらく、なかなか上達しませんでした。そんな中、たまたま知り合いがウクレレ教室に通っていることを知りました。ウクレレなら小さくて持ち運びしやすいし、どこででも練習できると思って習い始めたところ、すっかりハマってしまいました」
それ以来、教室に通い続けて腕を磨きつつ、教室の発表会やフラダンスのバックバンドなどで演奏を披露してきた。ところが、コロナ禍で演奏する機会がなくなってしまい、暇を持て余すようになった。ちょうどその頃、会社が副業を認めたことを知り、いつかはやりたいと思っていたウクレレ教室を始めることを思い立った。自分でホームページを立ち上げ、チラシも作り1万枚をポスティングしたところ、5人から申し込みがあり、2021年夏にウクレレ教室をスタートした。
現在は本業の傍ら、第1・3木曜日の夜と第1・3土曜日の午前にそれぞれ1時間×2クラス、計4クラスを開講。希望者には追加でオンラインレッスンも行っている。生徒数は30人を超えた。生徒が途中でやめてしまう教室も少なくない中で、池田さんの教室はスタート以来、約7割の生徒が継続して受講している。
教室を始めた当初は支出の方が多かったが、試行錯誤を重ね、3年目で利益が出るようになったという。教室の他、ウクレレの弾き語り・演奏動画のYouTubeチャンネル※2や楽譜の販売なども行っている。
「気さくな先生で、とても楽しい時間です」と生徒からの評判は上々だ。
生徒の7割が受講を継続する秘訣とは?
池田さん自身、今もウクレレのレッスンに通い続けている。
「独学だと壁にぶち当たります。やはり先生に見てもらわないと、自分がどの程度できているのか、わからなくなるんですよね。それに1人でやっていると、自分に甘えてしまうじゃないですか」
現在は、ウクレレに加えてクラシックギターのレッスンも受講。さらにジャズの先生にコード理論やアドリブなども教わっているそうだ。こうして自ら習い、技術を高めてきた経験を、自身の教室でも活かしている。
池田さんがレッスンを受けてきた中で学んだ、生徒に受講を継続してもらうための秘訣が2つあるという。1つは、教え方のバランスだ。
「生徒さんにとって難し過ぎると疲れてしまいますし、逆に簡単過ぎると飽きてしまいます。その間のバランスを取りながら、達成感が得られるように、本人のレベルよりも少し難しいことにチャレンジしてもらうのがポイントです」
もう1つは、発表の場をつくること。毎年、発表会や忘年会などを企画し、その機会を目標に練習してもらうようにしている。教室で学ぶことの意義を、身をもって経験してきたからこそ、生徒の気持ちを汲んだ教室運営ができるのだろう。
「教室をやっていると、“プチな幸せ”をたくさんもらえます」と池田さん。例えば「2〜3カ月来たらやめようと思っていたけど、楽しいから続けています」「発表会、本当は出たくなかったけど、おかげで弾けるようになったので、次はこんな曲を弾いてみたい」など、生徒から寄せられる感謝の声が、教室を続ける上で励みになっている。
今年の夏は、ウクレレアンサンブルに特化したサークル「UKUIKE新潟ウクレレオーケストラ」を立ち上げる予定だ。月1回レッスンを行い、いずれはさまざまな音楽イベントに参加したり、単独でのコンサートを開催したいと考えている。
「音楽理論、コード理論、アレンジ力、アドリブ技術などの個人的なスキルアップをこれからも続けていきます。退職後は100人くらいまで生徒数を増やしたいですね」
生徒の皆さんと。
(2024年7月掲載)